（株）神戸製鋼所、東京電力（株）、中部電力（株）及び関西電力（株）の4社は、自然冷媒である「水」を採用した世界初の「軸流式水冷媒冷凍機」の試作機を開発したと発表した。冷凍機とは、ビルや工場等の空調や冷却プロセスなどに使用される機械で、冷媒としては、フロン系冷媒の中では環境に優しい「HFC冷媒」や、自然冷媒である「二酸化炭素」「アンモニア」「イソブタン」等が採用されている。今回4社が完成させた試作機は、より高い環境性を有する自然冷媒である「水」を冷媒として採用し、冷房・冷却性能（COP）は約5.4（間接熱交換器タイプで約4.8）を達成。また、専用の軸流式圧縮機の開発により、遠心式圧縮機採用の水冷媒冷凍機に比べ、現時点において設置面積は約3分の1（間接熱交換器タイプは約2分の1）のコンパクト化を達成した。この試作機は、デンマークエネルギー庁の支援と、（財）電力中央研究所、デンマークの研究所及び冷凍機メーカーの技術協力を得て開発したもの。今後4社は、試作機の更なる改良と信頼性確認運転を継続し、本開発機の早期市場投入を目指すという。