日立化成工業（株）は、同社独自のリサイクル技術を用いて炭素繊維強化プラスチック（CFRP）から回収した炭素繊維（CF）について、環境影響評価（LCA）を行った結果、新品のCFに比べ、必要なエネルギーを1/4に低減できることを解明したと発表した。CFRPは、比重が鉄の1/4であるため、航空機や自動車において、軽量化の材料として注目されている。しかし、その材料となるCFの新品を製造するには、必要となるエネルギーが大きいため、環境保全の観点から、CFRPからCFを回収するリサイクル技術の研究が現在進められている。同社は今回、2004年に確立させた「常圧溶解法」というリサイクル技術を用いて、廃棄テニスラケット（CFRP製）から回収したCFのLCAを測定した結果、新品CFと比較し、製造時に必要なエネルギーが約1/4に低減できることを解明した。同社は、今後、同技術の航空機や自動車製造会社等への提案を進め、リサイクルによるCFの低コスト化、低エネルギー化の実現に努めていくという。