日産自動車（株）は2011年10月13日、出力密度が従来の約2.5倍となる新型燃料電池スタック（2011年モデル）を開発した。同社では、ゼロ・エミッション社会の実現に向けた包括的な取り組みの一環として、継続して燃料電池車（FCEV）用の新型燃料電池スタックの開発を進めている。今回開発した燃料電池スタックは、燃料電池セルを構成する膜電極接合体（MEA）とセパレーター流路の改良により、出力密度を従来型の2005年モデルと比較して2.5倍に向上させ、世界トップ（同社調べ）となる1リットルあたり2.5キロワットを実現した。また、MEAを支持するフレームをMEAに一体成型することで、燃料電池セルの安定的な一列積層を可能とし、従来比で2分の1以下となる大幅な小型化も実現した。さらに、2005年モデルに比べて白金使用量を4分の1、部品種類を4分の1にまで削減し、燃料電池スタックのコストを6分の1に低減させた。同社では、ゼロ・エミッション社会の実現と燃料電池車の早期実用化に向けて、今後も継続して開発を進めていくという。