(独)森林総合研究所、人工林の伐採が、明るい開放地を好む生物種の減少を緩和することを解明
発表日:2012.05.28
(独)森林総合研究所は、人工林で適切な伐採・植栽を行うことにより、明るい開放地を好む生物種の減少が緩和されることを解明したと発表した。日本では、採草地や若い森林などの開放地の減少によって、こうした明るい場所を生息地とする鳥類などの「遷移初期種」が減少し、「生物多様性の第二の危機」とも呼ばれている。今回の研究では、人工林の伐採・植栽によって作り出される開放的な環境が、遷移初期種の減少緩和に役立つかどうかを調べるため、4種類の開放地(放牧地、伝統的な採草地、カラマツ新植造林地、カラマツ人工林伐採跡地)と2種類の森林(50年生程度のカラマツ人工林、老齢天然林)で、ハナバチ、鳥類、植物の遷移初期種の種数を比較。その結果、これらの生物の種数はいずれも森林よりも開放地で高く、また植物を除き4種類の開放地はほぼ等しい値であった。このことは、カラマツの新植造林地や伐採跡地が、遷移初期種にとっては伝統的な採草地に匹敵する生息地であることを示しており、人工林の適切な収穫と管理によって、林業は開放地を持続的に提供し、遷移初期種の減少緩和に貢献しうることが明らかになったという。
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