(独)物質・材料研究機構と(独)日本原子力研究開発機構、燃料電池反応を高効率化する「助触媒」の役割を実験的に解明
発表日:2012.05.29
(独)物質・材料研究機構と(独)日本原子力研究開発機構は、燃料電池の高効率化と、希少材料である白金の使用量削減につながる成果として、白金に酸化セリウムを「助触媒」として加えたナノ複合体が、従来の白金触媒より高い酸素還元反応活性を示すことを実験的に明らかにした。固体高分子形燃料電池は、水の電気分解の逆反応を利用した高効率な発電装置であり、自動車やモバイル電子機器の電源、家庭用コージェネレーションシステムとしての普及が期待されている。しかし現在、その電極材料として使用されている白金は希少材料であり、また、白金表面に酸化物が形成されると触媒活性が低下するという問題があった。今回、研究グループは、触媒作用を強化する「助触媒」として酸化セリウムを加えた「白金-酸化セリウムナノ複合体」を開発。放射光を用いたその場測定を行った結果、同複合体では、白金と酸化セリウムが接触する界面で部分的な電荷のやりとりが起こり、酸化セリウムが白金の身代わりとなって酸化されることで、白金の酸化が抑制され、高い触媒活性が発揮されることが示されたという。
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