東北大学、高効率なシリコン量子ドット太陽電池を実現
発表日:2012.06.04
東北大学は、同大学流体科学研究所および原子分子材料科学高等研究機構の寒川教授グループが、2020年以降の実用化が期待されているシリコン量子ドット太陽電池において、世界最高変換効率となる12.6%を達成したと発表した。今回研究グループが作製したシリコン量子ドット太陽電池は、ナノサイズ(1ナノメートル = 10億分の1メートル)の円盤状シリコンを、高密度かつ均一に基板上に配置させた「シリコン量子ナノ円盤アレイ構造」を持つのが特長。この構造とシリコンカーバイド(SiC)薄膜とのサンドイッチ構造を用いた太陽電池を試作した結果、量子ナノ円盤アレイ構造において、従来の薄膜に比べて光吸収効率が大きく向上し、かつ発生したキャリア(電子、ホール)の輸送特性も大幅に向上することが実証され、米国の研究グループによるこれまでのシリコン量子ドット太陽電池の最高変換効率10.6%を上回る、12.6%を達成した。同研究グループでは、今後5年程度での実用化を目指して精力的に研究を進めていく予定という。なお、同研究は(独)科学技術振興機構(JST)・戦略的創造事業(CREST)により実施された成果である。
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