東北大学と(独)農業環境技術研究所、根粒菌により土壌からのN2O発生を抑制できることを証明
発表日:2012.11.12
東北大学と(独)農業環境技術研究所は、根粒菌により土壌からのN2O発生を抑制できることを証明したと発表した。二酸化炭素の300倍の温室効果を有し、オゾン層の破壊の原因物質でもある一酸化二窒素(N2O)は増加し続けており、その主要な発生源は農耕地で、日本の人為発生源の26%、世界では60%を占めていることから、農耕地から発生するN2Oを削減する技術の開発が切望されている。今回、同大学と同研究所の共同研究により、N2O還元酵素活性を強化したダイズ根粒菌を進化加速によって作出し、この根粒菌によってN2Oの発生を抑制できることを実験室レベルで証明した。さらにこのダイズ根粒菌を用いて、圃場レベルでもダイズ収穫期前後のN2O発生量を大幅に削減できることを実証した。この結果は、現在有効なN2O発生削減策がない中で、共生微生物を利用した初めての生物学的N2O発生削減法として注目されている。両者は今後、実用化技術に向けた研究を早急に進めるという。
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