（株）日立製作所は、ニッケル基単結晶合金製の動翼を用いた中容量ガスタービンの熱効率向上に関する実証試験を、2008年6月20日から開始する。同社では、タングステン、タンタルなどの合金組成の最適化により、低コストで耐熱性、耐酸化性に優れたニッケル基単結晶合金を開発。さらに、この合金を鋳造して製作した動翼に、セラミックを遮熱材としてコーティングすることで、耐久性、信頼性の向上を実現している。今回の実証試験では、この単結晶動翼を約3万KWの中容量ガスタービン（五井コーストエナジー（株）五井発電所のH25ガスタービン）に適用。（独）新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）との共同研究として、超高温の実機運転環境下で、動翼の長期信頼性やライフサイクルコスト、熱効率の向上を検証する。高効率ガスタービンが実用化すると、化石燃料の使用抑制による二酸化炭素の排出量削減が期待されるという。