フランスは、2014年7月2日、「2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約(シップリサイクル条約)」の批准書を国際海事機関(IMO)事務局長に寄託し、同条約の批准国となった。現在行われている船舶の再利用からは、労働者の安全と健康だけでなく、有害物質の放出による環境汚染も懸念されており、2009年5月にこの条約が採択されたことは、労働者の健康と環境に配慮した船舶解体の実現に向けた大きな前進であったという。条約の目的は特に、船舶の設計段階から運用段階を通じて有害な物質の使用を制限または禁止し、かつ廃棄物の適正な管理を確保するための安全なリサイクル方法の採用を確保することにある。そのため、船舶の監視システムを設け、各船舶について有害物質のインベントリが作成されていること、またはリサイクルに適格な船舶であることを示す、国際的な証明書の発行について定めている。また、承認を受けた施設でなければ、船舶を解体することはできなくなる。フランスは条約のできるだけ早い発効を望むとしている。