エプソンのグループ会社であるエプソンアトミックスは、青森県八戸市に新設した北インター第二事業所・金属精錬工場の概要を発表した。本施設は、不要となった金属を再資源化し、金属粉末製品の原料として活用することを目的としており、建物・設備に約55億円を投資して建設された。
■エプソンは「環境ビジョン2050」において、「カーボンマイナス」と「地下資源消費ゼロ」の達成を掲げており、本工場はその実現に向けた重要な拠点となる。従来、高炉製純鉄などのバージン原料に依存していた金属粉末製造において、今後はエプソングループや地域から排出される金属端材、使用済み金型、工場内の金属くずなどを再資源化し、再生金属原料として活用する。
アトミックスは2020年より、半導体製造で使用されたシリコンウエハーを金属粉末原料として再利用する取り組みを開始しており、今回の新工場ではさらに、独自の金属粉末製造技術と新精錬プロセスを導入することで、安定的かつ高品位な製品供給を可能とする。これにより、次世代の省電力・小型デバイスの開発にも貢献する。また、北インター第二事業所では再生可能エネルギーを活用し、原料投入や測温・サンプリングの自動化、省力化を図るなど、環境負荷の低減と生産効率の向上を両立している。