カナダ政府は、人為起源の水銀放出を削減する世界協定である「水銀に関する水俣条約」を批准したことを発表した。同条約は、水銀を効果的に管理し、責任をもって取引し、現実的な代替手段がない場合にのみ使用することを確保するもので、広範な製品、加工、産業を対象に水銀のライフサイクルの全側面に対処する。北極圏では水銀が自然に蓄積する傾向があるため、北方地域の人々は特に水銀の影響に脆弱であり、魚類や海洋哺乳類などの地域の食料源にも悪影響があるという。カナダは過去40年間に水銀放出を90%以上削減し、2014年には水銀が含まれる大部分の製品の製造と輸入を禁じる「水銀を含有する製品に関する規制」を公表している。カナダに蓄積している人為起源の水銀の95%以上は外国に由来するという。同条約は、アメリカ、中国、日本、スイス、メキシコなどが既に批准しているが、条約発効には50か国の批准が必要となる。発効を前提に、2017年9月23日にジュネーヴで締約国会議の第一回会合が予定されている。