カナダ環境・気候変動省は、2018年大気汚染物質排出インベントリ報告書を公表し、国内の大気質は改善傾向が続いていると説明した。同報告書は2016年のデータに基づいており、主に次の点が挙げられるという。1)鉱業・精錬業や石炭発電を中心に産業部門からの大気汚染物質は減少が続いている、2)農業用肥料や畜産業、建設工事関連に起因してアンモニアと一部の粒子状物質が増加したものの、ほとんどの主要大気汚染物質は減少した、3)水銀や鉛などの重金属は1990年比で85%以上減少した、4)運輸部門からの窒素酸化物(NOx)及び揮発性有機化合物(VOC)の排出が大幅に減少したことで、これらの総排出量はNOxが1990年比で25%減、VOCが同42%減となった、5)微粒子状物質(PM2.5)の総排出量は1990年比で18%減少した。マッケナ環境・気候変動相は今回の公表を受けて、「この数十年来、連邦や州、準州の各政府が協力して実施してきた大気汚染物質削減のための取組が奏功していることが読み取れる」と述べた。