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 イギリス気象庁、世界気温データセットの更新で温暖化傾向がより明確になったと報告

発表日:2020.12.15


  イギリス気象庁(MetOffice)は、世界有数の気温データセットHadCRUTの改良版を発表した。HadCRUTは、世界中の観測所で測定された地表付近の気温と、海洋最上層の温度(海面水温)の測定値を統合したもので、1850年以降のデータを収録しており、今回のHadCRUT5は5回目の改良版となる。主な改良点は、1)海面水温の測定方法の違いによるバイアスに対処するための調整、2)気象観測所の数の大幅な増加、3)統計的手法を用いて初期の記録や、急速に温暖化している北極のようなデータの乏しい地域のデータセット範囲の拡大、であり、これらの改良によって気温変化をより正確に推定できるようになった。HadCRUT5に基づく2010~2018年の世界の平均気温は、1850~1900年の平均気温より1.07±0.11℃高く、従来の版であるHadCRUT4の0.91℃と比べると0.16℃高くなった。今回の更新で推定値が上方修正されたが、気候変動が急に悪化したわけではなく、温暖化がどの程度起こったかの推定値が改善されたことを示す。

情報源 イギリス気象庁(MetOffice)ニュース
国・地域 イギリス
機関 イギリス気象庁(MetOffice)
分野 地球環境 環境総合
キーワード 気候変動 | イギリス気象庁 | 温暖化 | 海面水温 | 気象観測所 | HadCRUT | 気温変化 | 気温データセット | 地表付近の気温 | 海洋最上層の温度
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