海外ニュース


 国立科学財団、北極圏の大量の淡水が海洋環境と大西洋の海流に影響を与えていると報告

発表日:2021.03.16


  国立科学財団(NSF)が助成した研究によると、北極海最大の淡水貯留域となっているボーフォート海に溜まった淡水は、グリーンランドの東側のより広いフラム海峡ではなく、カナダの北極諸島の間を通ってラブラドル海に流入していることが明らかになった。ボーフォート海では過去20年間で淡水量が40%増加しており、この淡水がどのようにして大西洋に流れ込むかは、重要な問題である。将来、風が弱まって淡水がより流れ込みやすくなれば、栄養分も豊富なこの大量の淡水がラブラドル海域に大きな影響を与える可能性がある。大西洋の熱塩循環では、冷たくて塩分濃度の高い重い水が北大西洋から沈み込み、メキシコ湾流となって海面に戻ってくるが、ラブラドル海に塩分濃度が低い軽い水が流入すると、この大規模な海流の循環を遅らせる可能性がある。現状ではこの淡水の多くは北極海に閉じ込められているが、流出量が増えれば非常に大きな影響を及ぼす可能性がある。

情報源 国立科学財団(NSF)ニュース
国・地域 アメリカ
機関 国立科学財団(NSF)
分野 地球環境 自然環境 水・土壌環境
キーワード 北極圏 | 淡水 | 海流 | 大西洋 | 海洋環境 | 国立科学財団 | 熱塩循環 | ラブラドル海域 | 淡水貯留域
関連ニュース

関連する環境技術