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 東京大、光合成水分解反応初期に利用される水素イオン移動経路を解明

発表日:2015.10.07


  東京大学は、光合成水分解反応初期に利用される水素イオン移動経路を解明したと発表した。光合成では、Photoystem II(PSII)蛋白質の中で、太陽エネルギーを利用して水が酸素に分解される。その際、PSIIの触媒部位Mn4CaO5錯体において、副産物として水素イオンを放出する水分解反応が4段階で起こり、第1段階では1つの水素イオンが放出される。水素イオンを放出するには、通り道である水素イオン移動経路が必要であるが、水分解反応のしくみは解明されていなかった。今回研究グループでは、計算機を利用した理論解析により、高等植物や藻類で行われる光合成の水分解・酸素発生反応において、その第一段階である水素イオンの放出反応機構を解明し、今までの提唱とは異なるタンパク質部位から水素イオン放出が起こりやすいことを証明した。今後、第2段階以降の水分解反応の機構解明が大きく加速し、人工光合成の開発や藻類を利用したバイオエネルギーの生産性の向上にもつながることが期待されるという。

情報源 東京大学先端科学技術研究センター プレスリリース(PDF)
東京大学先端科学技術研究センター プレスリリース
機関 東京大学 東京大学先端科学技術研究センター
分野 地球環境
キーワード 光合成 | バイオエネルギー | 東京大学先端科学技術研究センター | 移動経路 | 人工光合成 | 水素イオン | 水分解反応
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