信州大学(以下「信大」)と海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者3名は、画期的なビニルポリマーの開発研究に着手した。本研究は、(公財)国際科学技術財団の顕彰事業「Japan Prize(日本国際賞)」にご厚情を賜った上皇上皇后両陛下(天皇皇后両陛下)への謝意を表し、2006年に創設された「平成記念研究助成」の対象となっている(2023年採択案件)。プラスチックごみ問題が顕在化して久しく、国内プラスチック総生産量の 7 割以上を占めるビニルポリマー(四大汎用樹脂:ポリエチレン、プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン)のリサイクルが喫緊の課題となっている。再利用、再生利用に加え、原料・モノマー化技術の進展が期待されているが、ビニルポリマーは炭素原子で構成される主骨格の分解が難しく、PET(ポリエチレンテレフタラート)の様なケミカルリサイクルのフローが確立されていなかった。今回の取り組みは、三人寄れば文殊の知恵(コンセプト)に立脚している。信大の高坂准教授は、2019 年にケミカルリサイクルが容易なビニルポリマー(原料:アセチルサリチル酸)を世界で初めて開発し、酸やアルカリを用いて短時間で分解できることを確認している。同じく信大の長田准教授は、高温高圧水を利用して天然多糖類を分解し、機能化成品を得る研究を進めている。一方、JAMSTECの出口海洋機能利用部門・生命理工学センター長は、深海の極限環境や深海生物に固有の生存戦略に発想を得た「深海インスパイヤード化学」に関する研究の一環として、深海の熱水噴出孔周辺の物質循環を再現した水の急速加熱・急速冷却装置を開発している。2016年より3者は共同研究を進めており、新規ビニルポリマーに既往成果を適用することで、“水だけで分解し、資源再生するビニルポリマー”の実現に挑戦する。先ずはプロセスの開拓と最適化などに取り組み、汎用的なビニルモノマーとの共重合体に応用展開することで、理想的なプラスチック資源循環社会の実現に資する、と抱負を述べている。
情報源 |
【オンライン情報源1】 信州大学繊維学部 プレスリリース 【オンライン情報源2】 海洋研究開発機構 プレスリリース |
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配布形式1 |
【交換形式名称】HTML 【版】不明 |
タイトル | 実現なるか“究極のビニル系プラスチック循環システム”開発 |
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日付1 |
刊行日: 2023/04/10 |
要約 | 信州大学(以下「信大」)と海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者3名は、画期的なビニルポリマーの開発研究に着手した。本研究は、(公財)国際科学技術財団の顕彰事業「Japan Prize(日本国際賞)」にご厚情を賜った上皇上皇后両陛下(天皇皇后両陛下)への謝意を表し、2006年に創設された「平成記念研究助成」の対象となっている(2023年採択案件)。プラスチックごみ問題が顕在化して久しく、国内プラスチック総生産量の 7 割以上を占めるビニルポリマー(四大汎用樹脂:ポリエチレン、プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン)のリサイクルが喫緊の課題となっている。再利用、再生利用に加え、原料・モノマー化技術の進展が期待されているが、ビニルポリマーは炭素原子で構成される主骨格の分解が難しく、PET(ポリエチレンテレフタラート)の様なケミカルリサイクルのフローが確立されていなかった。今回の取り組みは、三人寄れば文殊の知恵(コンセプト)に立脚している。信大の高坂准教授は、2019 年にケミカルリサイクルが容易なビニルポリマー(原料:アセチルサリチル酸)を世界で初めて開発し、酸やアルカリを用いて短時間で分解できることを確認している。同じく信大の長田准教授は、高温高圧水を利用して天然多糖類を分解し、機能化成品を得る研究を進めている。一方、JAMSTECの出口海洋機能利用部門・生命理工学センター長は、深海の極限環境や深海生物に固有の生存戦略に発想を得た「深海インスパイヤード化学」に関する研究の一環として、深海の熱水噴出孔周辺の物質循環を再現した水の急速加熱・急速冷却装置を開発している。2016年より3者は共同研究を進めており、新規ビニルポリマーに既往成果を適用することで、“水だけで分解し、資源再生するビニルポリマー”の実現に挑戦する。先ずはプロセスの開拓と最適化などに取り組み、汎用的なビニルモノマーとの共重合体に応用展開することで、理想的なプラスチック資源循環社会の実現に資する、と抱負を述べている。 |
目的 | ニュースリリース等の配信 |
状態 | 完成 |
問合せ先(識別情報)1 |
【組織名】信州大学繊維学部 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】信州大学繊維学部 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
問合せ先(識別情報)2 |
【組織名】海洋研究開発機構 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】海洋研究開発機構 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
分野 | ごみ・リサイクル |
種別 | ニュース・イベント:ニュース:国内ニュース |
場所 | アジア:日本 |
キーワード | 高温高圧水、ケミカルリサイクル、プラスチック資源循環、プラスチックごみ問題、機能化成品、深海インスパイヤード化学、ビニルポリマー、平成記念研究助成、四大汎用樹脂、モノマー化 |
言語1 | 日本語 |
文字集合1 | utf8 |
主題分類 | 環境 |
ファイル識別子 | 115896 |
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言語 | 日本語 |
文字集合 | |
親識別子 | |
階層レベル | 非地理データ集合 |
階層レベル名 | 国内ニュース |
日付 | 2023/04/11 |
メタデータ標準の名称 | JMP |
メタデータ標準の版 | 2.0 |
国内ニュース | https://tenbou.nies.go.jp/news/jnews/detail.php?i=35372 |
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