国際農研、農研機構、名古屋大学ほか4大学・研究機関の共同研究グループは、コシヒカリ由来の遺伝子「MP3: MORE PANICLES 3」を導入した多収品種を作出し、高CO2環境下において増収効果が認められたと発表した。MP3は、12本あるイネ(Oryza sativa)の3番目の染色体上にある縞(バンド)。イネの量的形質に関与する遺伝子座(QTL)に相当し、コシヒカリをはじめとするジャポニカイネの場合は稲穂の基となる「腋芽(えきが)」の生長を促し、穂数の増加に寄与する。国際農研は、インディカイネである多収品種「タカナリ」のMP3をコシヒカリ由来のMP3に置換し、理想的なイネを開発する取り組み(IPA: ideal plant architecture)を進めている。サブサハラアフリカの稲作を支援するプロジェクトでは、MP3を置換したタカナリの準同質遺伝子系統(NIL: Near-Isogenic Line)が養分欠乏土壌における穂数不足の緩和に資することを確認している(Takai, T. et al., 2021)。本研究は、IPAの一環として、地球規模の課題「気候変動下における持続可能な作物生産」の実現に向けてデザインされたもの。気温上昇に伴う生産性の大幅な低下が懸念されているが、大気CO2濃度の上昇はイネの光合成にとって有利に働く。NILは1つの穂に多くの籾を生産させるインディカイネの形質である一穂籾数を維持しつつ、穂数が元品種(タカナリ)よりも20~30%多い。農研機構・農業環境研究所の実験拠点「FACE: Free-Air CO2 Enrichment(所在地:茨城県つくばみらい市)」において、外気よりも約200 ppm高いCO2濃度環境(580 ppm)でNILを栽培した結果、6%多収(タカナリ比)となることが明らかになった。世界人口の半数以上がコメを主食としている。世界の食料危機回避に向けたMP3の応用展開が期待される。
情報源 |
【オンライン情報源1】 国際農林水産業研究センター プレスリリース 【オンライン情報源2】 理化学研究所 研究成果(プレスリリース) 【オンライン情報源3】 名古屋大学 研究成果発信サイト 【オンライン情報源4】 横浜市立大学 YCU RESEARCH 【オンライン情報源5】 明治大学 プレスリリース |
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配布形式1 |
【交換形式名称】HTML 【版】不明 |
タイトル | コシヒカリの有用遺伝子、高CO2環境下における多収品種の増収にも有効 |
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日付1 |
刊行日: 2023/03/31 |
要約 | 国際農研、農研機構、名古屋大学ほか4大学・研究機関の共同研究グループは、コシヒカリ由来の遺伝子「MP3: MORE PANICLES 3」を導入した多収品種を作出し、高CO2環境下において増収効果が認められたと発表した。MP3は、12本あるイネ(Oryza sativa)の3番目の染色体上にある縞(バンド)。イネの量的形質に関与する遺伝子座(QTL)に相当し、コシヒカリをはじめとするジャポニカイネの場合は稲穂の基となる「腋芽(えきが)」の生長を促し、穂数の増加に寄与する。国際農研は、インディカイネである多収品種「タカナリ」のMP3をコシヒカリ由来のMP3に置換し、理想的なイネを開発する取り組み(IPA: ideal plant architecture)を進めている。サブサハラアフリカの稲作を支援するプロジェクトでは、MP3を置換したタカナリの準同質遺伝子系統(NIL: Near-Isogenic Line)が養分欠乏土壌における穂数不足の緩和に資することを確認している(Takai, T. et al., 2021)。本研究は、IPAの一環として、地球規模の課題「気候変動下における持続可能な作物生産」の実現に向けてデザインされたもの。気温上昇に伴う生産性の大幅な低下が懸念されているが、大気CO2濃度の上昇はイネの光合成にとって有利に働く。NILは1つの穂に多くの籾を生産させるインディカイネの形質である一穂籾数を維持しつつ、穂数が元品種(タカナリ)よりも20~30%多い。農研機構・農業環境研究所の実験拠点「FACE: Free-Air CO2 Enrichment(所在地:茨城県つくばみらい市)」において、外気よりも約200 ppm高いCO2濃度環境(580 ppm)でNILを栽培した結果、6%多収(タカナリ比)となることが明らかになった。世界人口の半数以上がコメを主食としている。世界の食料危機回避に向けたMP3の応用展開が期待される。 |
目的 | ニュースリリース等の配信 |
状態 | 完成 |
問合せ先(識別情報)1 |
【組織名】国際農林水産業研究センター 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】国際農林水産業研究センター 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
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【組織名】横浜市立大学 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】横浜市立大学 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
分野 |
地球環境 環境総合 |
種別 | ニュース・イベント:ニュース:国内ニュース |
場所 | アジア:日本 |
キーワード | FACE、タカナリ、高CO2環境、MP3、多収品種、ジャポニカイネ、腋芽、ideal plant architecture、準同質遺伝子系統、一穂籾数 |
言語1 | 日本語 |
文字集合1 | utf8 |
主題分類 | 環境 |
ファイル識別子 | 115976 |
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言語 | 日本語 |
文字集合 | |
親識別子 | |
階層レベル | 非地理データ集合 |
階層レベル名 | 国内ニュース |
日付 | 2023/04/24 |
メタデータ標準の名称 | JMP |
メタデータ標準の版 | 2.0 |
国内ニュース | https://tenbou.nies.go.jp/news/jnews/detail.php?i=35409 |
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