アメリカエネルギー省（DOE）は、セメント工場が排出するCO2を回収し炭酸ナトリウムや塩酸等の商業製品に転換する大型プロジェクトの実証運転を開始したと発表した。これは、DOEがスカイオニック社と提携して行うスカイマイン・プロジェクトで、テキサス州サンアントニオ市のセメント工場から温室効果ガス（CO2）7万5000トンを回収する。約4000万ドル規模のこのプロジェクトには、アメリカ再生・再投資法により2800万ドルが助成されており、新工場建設期間中に250人超の雇用を創出するなど、既に地元経済に実質的効果をもたらしているという。モニツDOE長官は、「このプロジェクトは、まったく新しいCO2回収方法の可能性を示すもの」と述べた。このスカイマイン技術では、プロセスの生成物が炭素排出を相殺し、かつ安全・無制限に貯蔵できる。さらに排煙からは硫黄酸化物、水銀等の重金属の大半を除去する。この技術は発電だけでなく、鉄鋼、天然ガス発電など重工業における潜在的用途もあるという。