アメリカ海洋大気庁など、海洋生態系の健全性を簡単に評価する新手法を開発
発表日:2015.11.10
アメリカ海洋大気庁(NOAA)の科学者らが参加する研究チームは、海洋の環境の健全性を簡単に評価するための新手法を開発した。この手法は、地球上のあらゆる海洋生態系に共通する一連の特徴を用いて、生態系の状況を視覚的に把握できるようにするもの。これにより、従来のように生物種や生息地の状況を個別に評価するのではなく、海洋生態系の状況を全体的に評価できるという。また、乱獲、汚染、侵略的外来種などの複数の脅威の累積的な影響を把握するのに役立つ。この手法の開発のため、科学者らは、衛星画像、漁業調査、水揚げデータなどを組み合わせ、生態系の食物連鎖のパターンを描き出した。このパターンから、問題を検知するだけでなく、脅威が緩和した後に生態系がどのように回復するのかも把握できるという。NOAAは、「気候変動や海洋酸性化が予測できない変化を引き起こしている中、この手法は海洋生態系のより良い管理に寄与する」としている。