アメリカ海洋大気庁、自然豊かな海岸は気候変動の影響を軽減すると報告
発表日:2015.12.16
アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、植物、砂、岩などの自然の素材によって保護および安定化された「生きた海岸線」には、海岸線の浸食防止や栄養分除去による水質改善、重要魚介類の生息地保護の機能のほかに、炭素を貯蔵して気候変動の影響を軽減する効果もあるとの研究成果を報告した。海岸の植物は光合成の過程でCO2を取り込み、沿岸湿地の堆積物中に炭素を蓄積する。潮間帯沼沢地は、単位面積当たりで壮齢熱帯林の2~3倍の炭素を貯蔵できるという。研究では、ノースカロライナ州内の河口域にある齢の異なる潮間帯沼沢地の堆積物中に貯蔵された炭素の量を測定し、炭素隔離能力を比較した。その結果、砂質の生きた海岸線の長期的な炭素隔離能力は、アメリカ南東部の自然沼沢地と同等の年間75g/m2だった。同州の850マイルの海岸線のうち10%を生きた海岸線に転換するだけで、年間870トンのCO2(ガソリン10万ガロン分以上に相当)を削減できるという。
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