世界気象機関、2016年の南アジアのモンスーンは例年以上の豪雨をもたらすと予測
発表日:2016.04.26
世界気象機関(WMO)の「南アジア気候予測フォーラム(SASCOF)」は、2016年の南西モンスーン期に関する一致した見解をまとめた。同見解によれば、2016年の南西モンスーン期(6~9月)の降雨量は、南アジアの中・西部の広範囲で例年以上となり、東部およびインド半島南東部で例年以下、それ以外の地域で例年並みと予測された。南アジアでは、スリランカとインド南東部以外のほとんどの地域で、6~9月だけで年間降雨量の75~90%を占め、農業や国民経済は大きく影響を受ける。そのためモンスーンの事前情報は、政策決定者の農業・公衆衛生等の戦略策定に役立つという。SASCOFは、WMOによる世界各地の「地域気候予測フォーラム」の1つで、モンスーンの把握・予測に関心をもつ南アジア諸国とともに2010年に始まった。今回の見解は、スリランカでの2016年SASCOF会合で、エルニーニョ南方振動など現在の世界の気候状況についての専門家の評価を経て策定された。この予測についてスリランカのテレビ局による解説ビデオも作成された。