国際エネルギー機関、デリーの深刻な大気汚染はエネルギー部門の取組の必要性を示していると指摘
発表日:2016.10.31
国際エネルギー機関(IEA)は、2016年10月30日にインド・デリーで発生した深刻な大気汚染は、世界保健機関(WHO)の推奨するレベルの30倍に達し、早急に汚染対策が必要だと報告した。インドでは2015年に屋外大気汚染に起因する早死は約59万人、屋内大気汚染に起因する早死は約100万人に上り、平均寿命は大気汚染のため23か月短縮しているという。世界で最も汚染された都市の20位までにインドの11の都市が入っている。インドは世界の人口の6分の1以上を占めるが、世界のエネルギー使用に占める比率は6%に留まっており、今後エネルギー使用はさらに急増すると予想される。これまでに、汚染の高い産業を郊外に移転することや、公共交通の燃料をディーゼルから圧縮天然ガスに変換し、排出基準を強化するなどの措置を取ってきたが、その効果も人口増によって相殺されているという。IEAは、長期的な大気質目標の設定、エネルギー部門の大気清浄戦略の導入、効果的なモニタリング、法施行、評価、情報交換などの取組が重要だとしている。