各国政府やNGO、湿地が防災・減災に果たす役割について円卓会議を開催
発表日:2017.02.10
世界湿地の日の2月2日、各国政府や国連機関、国際湿地保全連合(WI)等は、「健全な湿地、回復力ある地域社会」をテーマに円卓会議を開催した。世界の災害頻度は過去35年で2倍以上に増え、その90%が水関連災害だという。WIのマドウィックCEOは、水の調節機能を持つ湿地が減少するにつれて災害が増えているとの見方を示した。将来は気候変動のため極端気象がいっそう増える一方、世界の湿地は年々減少するとみられる。会議では、フィリピンで2013年の台風の際にマングローブの森が沿岸部の集落を守ったことから、政府が環境政策に災害リスク軽減策を組み入れるようになった事例や、日本の2011年の巨大津波災害の後、国土計画に生態系を活用した防災・減災を取り入れた事例が報告された。十分に管理された湿地は、極端な気象現象が起きてもその影響を緩和して災害に至るのを防ぎ、持続可能な開発に資するという。ロハスウレゴ(Rojas-Urrego)ラムサール条約事務局長は、湿地は森林の2倍の炭素を貯蔵することから、パリ協定を機に、各国は気候変動緩和の取組みに湿地の保全と再生を取り入れるべきだとしている。
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