ラムサール条約、世界湿地の日を前に炭素吸収源として気候変動を抑制する湿地の保護を呼びかけ
発表日:2019.02.01
ラムサール条約は、2019年世界湿地の日(2月2日)を前に、地球で最も効果的な自然の炭素吸収源である湿地を利用した気候変動対策の重要性を強調した。湿地(泥炭地、沼沢地、河口、潟、マングローブ林、サンゴ礁など)は、森林や海洋と同様、世界の気候調節に極めて重要である。同条約の報告書「地球湿地概況(GWO)」によると、泥炭地は陸域のわずか3%だが、世界の森林の2倍の炭素を貯留しているという。パリ協定でも湿地の炭素貯留機能を認めているが、湿地は森林の3倍の速さで消失しており、1970~2015年に土地利用の変化や都市化等によって約35%減少した。湿地の消失により炭素が排出され、地球温暖化はさらに進む。また湿地は、炭素貯留だけでなく、自然災害の影響の緩和、適応、回復(高潮や津波の影響軽減、洪水や干ばつの抑制など)にも寄与し、その利点は幅広い。すでにセネガルやタイ等はマングローブ林の回復、北欧諸国等は泥炭地の回復に着手している。同条約は、各国の気候変動対策に湿地を盛り込み、全世界で取組を拡大することが必要だと指摘する。