気候変動で世界の河川の水量が減少のおそれ
発表日:2009.04.21
米国国立大気研究センター(NCAR)のダイ氏らによる、世界の河川の水量に関する研究成果が、2009年5月15日発行のアメリカ気象学会の「Journal of Climate」誌に掲載された。世界の925本の大河について1948~2004年の水量を調査したところ、約3分の1に重大な変化が見られたという。調査河川のうち、水量が減少している河川と増加している河川は2.5対1の割合。中国の黄河やインドのガンジス川、西アフリカのニジェール川、アメリカのコロラド川等人口密集地の河川は水量が減少する傾向にあり、反対に、北極海に近い人口の少ない地域の河川では氷雪の融解速度が速まり、水量が増加している。水量の減少には、ダム、農業や工業への転用等多くの要因があるが、今回の研究では、多くのケースで、降水パターンの変化や蒸発量の増加をもたらす気候変動との関連性が明らかになった。コンピュータモデルを用いた研究では、北極以外の多くの河川で水量の減少が指摘されていたが、これまで世界の主要河川に地球温暖化が及ぼす影響は不明瞭だったという。
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