イギリス、低炭素化を通じた経済成長のための新たなクリーン成長戦略を発表
発表日:2017.10.12
イギリスのビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)は、炭素の排出を削減しつつ経済を成長させるための「クリーン成長戦略」を発表した。これは、技術や事業の低炭素化が、環境だけでなく経済的機会になることを強調し、産業から家庭、輸送、発電、農業、自然資源、廃棄物、金融まできわめて広範囲の施策を挙げている。たとえば、輸送部門では、石油・ディーゼル車の新車販売を2040年までに終了し、超低排出車の普及や充電設備網の拡充を進める。発電部門では、削減対策のない石炭火力発電の2025年までの廃止、洋上風力発電の促進、原子力発電の継続も盛り込んだ。イギリスは、2050年まで5年ごとの温室効果ガス排出上限を定めた気候変動法を世界に先駆けて成立させるなど排出削減を進めており、G20の中でも最も速く脱炭素化が進んでいるという。今回の戦略は、第5次の排出上限(2028~2032年)を見据え、政府がすでに予算化した低炭素技術革新への25億ポンド超(2015~2021年)の具体的投資先を初めて示している。