ドイツ、スートハルツ地域における畜産業・生物多様性の保護プロジェクトを実施
発表日:2018.01.11
ドイツ連邦環境省(BMUB)は、ドイツ中部のスートハルツ地域において伝統的に自然管理を担ってきた羊や山羊の牧畜を支援し、危機に瀕する希少生物の保護するプロジェクトを実施する。この地域には、欧州最大の貴重な石膏カルストがあり、約100キロメートルに渡り多様な矮性低木や乾燥牧草地が広がっている。連邦自然保護庁は、多様な種や個体群を持つ30地域をホットスポットとして指定しているが、スートハルツ地域もその一つである。しかしこの地域を守ってきた放牧や草刈りの減少により、種の多様性に危機が訪れている。プロジェクトでは、牧場や放牧地の減少を止めることを目指し、畜産農家に対する畜産製品のマーケティング支援、畜産業に関心を持つ人々に対する情報提供を通じた後継者確保の支援、放牧予定地の整備などのほか、環境教育、観光インフラの改善、広範囲な広報活動を行う。また、ファイアサラマンダー等の繁殖場所を新たに創出するなど直接の保護対策も行う。プロジェクトは、2018~2023年の6年間の予定で実施され、スートハルツ・キフホイザー景観保護連盟によって運営される。