ドイツ、農地の大半を占める賃貸農地の契約に生物多様性を組み込むモデルプロジェクトを開始
発表日:2018.03.05
ドイツ連邦環境省(BMUB)は、農地を貸し出す地主に対し、生物多様性を考慮した賃貸契約を行うよう情報や助言を提供するモデルプロジェクト「フェア・リース」を開始した。ドイツでは農地の60%が借地であり、農地利用の改善には地主の関与が重要となる。プロジェクトは、地主が借地契約を通じて土地の生物多様性の保護・向上を図れるようにするもので、例えば農薬を使用しない環境に配慮した有機農法を行う、農地辺縁部に自然植生帯を設ける、放牧地を拡大して家畜の数を分散する、など自然配慮型の土地管理を契約内容に含めることが考えられる。長期的には地主のための全国的なコンサルティング・ネットワーク構築も視野に入れる。連邦自然保護庁(BfN)のレッドリスト(2017年)によると、ドイツでは牧草地や農地として利用される土地で特に生物多様性が脅かされており、改善するには自然と調和した農法を行う農地を拡大していく必要がある。プロジェクトはBMUBから93万5000ユーロの支援を受け2023年まで継続する。とりまとめはNABU財団、専門分野の支援はBfNが行う。
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