ドイツ連邦環境省、農村地域における生態系の価値を再評価するTEEB報告書を公表
発表日:2016.01.20
ドイツ連邦環境省(BMUB)は、ドイツの農村地域における自然資本の価値を科学的見地から算定したTEEB(生態系と生物多様性の経済学)第二報告書を発表した。報告書は、自然が人間や社会にもたらす経済的価値が過小評価されているとし、その本来の価値と、自然保護を行わなければどの程度のコストがかかるのかを問うて以下のような具体例を挙げている。1)現在の湿原や農地における自然保護措置は、水域への有害物質流入による損害を低減させており、これにより水質維持にかかる費用を年間で最高2億3000万ユーロ節約する。2)草原や牧草地は生物多様性保全に必要だが、気候や水域の保護、土壌侵食の防止にも有用である。草地が農地に変わることで、推定で年間1ヘクタール当たり440ユーロから3000ユーロの甚大な事後負担が生じる。3)水域周辺一帯を農地ではなく自然のまま活用する方が、社会的視点からも有意義な投資となる。河川の水質、海域保護、漁業、生物多様性に関してだけでも、そこに費やした費用のほぼ倍の利益が見込まれる。
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