世界気象機関、アフリカの気候の現状と将来の予測をまとめた報告書を発表
発表日:2020.10.26
世界気象機関(WMO)は、気候変動はアフリカ大陸への影響を拡大させており、最も脆弱な人々を直撃し、食糧不安、水資源などへのストレスをもたらしているとした「アフリカにおける気候の現状2019年報告書」を発表した。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書で報告されている中程度のシナリオでは、2080年までにアフリカの広範囲が産業革命前と比べて2℃を超える温暖化に直面する予測であり、すでに多くの地域で1℃以上の温暖化が生じている。干ばつの多いサハラ以南では、栄養不良の人々の数が2012年から45.6%増加している。農業を経済の中心とするアフリカは気候変動の影響を受けやすく、今世紀半ばまでには最悪の場合、農産物の平均収量が8~13%減少すると予測されている。最も影響を受けるのは稲と小麦で、2050年までにそれぞれ12%と21%の収量減が予測される。産業革命前と比べて世界の気温が1~4℃上昇するシナリオでは、アフリカ大陸全体のGDPが2~12%減少する予測である。
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