中国科学院、炭素の大量放出が太古の海洋無酸素状態と生物多様性の喪失を引き起こしたと報告
発表日:2022.05.05
中国科学院(CAS)は、氷河期に大量の炭素排出に関連した急激な温暖化が起こり、海底の約20%に相当する範囲が無酸素状態となり、生物多様性が著しく低下したという研究結果を発表した。古生代後期の氷河時代(3億6000万年~2億8000万年前)は長期にわたり氷床が存在し、氷室(icehouse)気候から温室(greenhouse)気候へ移行した時期であり、また、大気中のCO2濃度およびO2濃度が近現代同等となる唯一の地質時代でもある。したがって、将来の環境と生物多様性の変化を予測するためには、同時代の炭素排出とその影響を研究することが極めて重要である。同院の研究者を含む国際研究チームは、中国南部の石炭紀層を10年以上にわたって調査し、堆積学、層序学、古生物学、地球化学の観点から考察した。同研究は、地球温暖化が将来地球にもたらす影響や、生物が直面する環境条件を推測するための手がかりとなり得る。
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