世界気象機関、パキスタンの洪水被害状況と同機関の取り組みについて解説
発表日:2022.08.30
世界気象機関(WMO)は、同国史上最悪の洪水に直面しているパキスタンの被害状況と、同機関の取り組みについて解説した。同国では2022年に発生した洪水により約3,300万人が被災し、少なくとも1,100人が死亡、インフラ、住宅、農地、家畜が打撃を受けた。同国の二酸化炭素排出量はごくわずかであるが、気候変動に対して脆弱な上位10か国に含まれており、2022年、熱波、森林火災、複数の洪水などが発生した。同年の熱波は水の供給、健康、農業、経済に影響を与え、急速な氷河の融解を引き起こしたが、気候変動が猛暑の発生確率を30倍に増加させた。同機関の鉄砲水ガイダンスシステムは、正確な警告を繰り返し発して国の関係者や地元住民に周知し、死者数を抑えることに貢献した。今回の災害は気候変動の緩和と適応の必要性をあらためて示すものであり、早期警報への普遍的アクセスを確保する同機関の活動の重要性を浮き彫りにした。予測的行動は、予測の不確実性を理解する必要はあるが、世界中の人命を救い、非常に効果的であることが証明されている。
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