中国科学院、再植生化が永久凍土を安定させるとの研究結果を発表
発表日:2023.02.03
中国科学院(CAS)の研究チームは、極度に劣化した草地での再植生化が、永久凍土の安定性を大幅に改善できるとの研究結果を発表した。過去数十年の間に、約90%の高山草原は気候温暖化や過度な放牧により著しく劣化し、広範囲な永久凍土の劣化を引き起こしている。自然の草の播種による再植生化は、現在、青海チベット高原で極度に劣化した草地を復元するため、効果的で広く用いられている方法である。同研究チームは2017~2020年、同高原の永久凍土地帯で極度に劣化した草地と、再植生化した草地を比較・分析した。その結果、再植生化により完全凍結段階の開始が17日早まり、完全融解段階の開始が18日遅れ、完全凍結期間が47日と大幅に延長した一方、融解期間は大幅に短縮、活動層の厚さは著しく減少したことなどが判明した。同研究は、極度に劣化した草地における永久凍土保全の技術開発に対するデータと科学的実証を提供し、気候温暖化の状況下における高山草地生態系のサービス機能の安定化と強化を実現するものである。
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