アメリカの研究チーム、火山噴火によりアジアモンスーン地域の降雨は増えると報告
発表日:2010.11.04
アメリカのコロンビア大学ラモント・ドハティー地球観測研究所は、火山噴火によりアジアモンスーン地域の降雨量は増える、との研究結果を発表した。同研究所では、アジア地域300ヶ所の樹木の年輪から、過去800年間の大噴火54件の影響を推定。その結果、従来は、噴火による火山灰が太陽エネルギーを遮蔽し気温が低下するため、水の蒸発が減り雨量は減ると考えられていたが、今回、これに反する研究結果が出た。調査期間の大噴火で中央アジアの大半は乾燥したが、ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマーなど東南アジア諸国の降雨量は増加した。これにはさまざまな要因が複雑に関係していると考えられる。エルニーニョが噴火の影響を緩和した可能性もある。しかし、大気の変動と噴火が同時に起こると、その相互作用で影響が増大する可能性もあり、洪水と干ばつがどちらも起こりうる。調査にあたった研究者は、要因間の相互関係の究明にはなお多くの研究が必要としている。
▲ページ先頭へ
新着情報メール配信サービス
RSS