アンデス歴史生態学の研究チーム、ボリビアに壊滅的干ばつが迫ると予測
発表日:2010.11.12
アンデスの歴史生態学を研究する、フロリダ工科大学等による研究チームは、南米・ボリビアの首都ラパスに壊滅的な干ばつが迫っていると発表した。研究チームは、ペルーとボリビアにまたがるチチカカ湖の湖底堆積物に含まれる花粉の化石を用いて、アンデス山脈における過去37万年間の気候と植生の変動を分析。その結果、チチカカ湖では、現在のように温暖化が進んだ直近2回の間氷期(約11万5千年~13万年前、及び32万年~33万年前)に面積が約85%縮小し、周辺では植生が山岳の上方まで移動していたが、ある時点を境に、突然、一帯が砂漠化したことがわかった。研究者らは、その要因が湖の縮小による気候条件(降水量等)の変化にあるとし、今後1.5~2.0℃を上回る温暖化が起こると、過去と同様に、ペルーとボリビアの一部が砂漠化し、ラパスの市民200万人への水供給や農業生産が深刻な打撃を被ると警告している。現在、この地域の温暖化は10年間に約0.3~0.5℃のペースで進んでおり、このままだと、2040年から2050年の間に砂漠化する可能性があるという。
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