カリフォルニア州立大学の研究チーム、有鉛ガソリン廃止による健康・社会・環境の利益は数兆ドルと報告
発表日:2011.10.27
国連環境計画(UNEP)の主導で過去10年間に行われた有鉛ガソリン廃止の取組が、世界全体で推計約2兆4000億ドルの利益をもたらしたことが、カリフォルニア州立大学の研究でわかった。鉛は高血圧や心疾患、心身発達障害、犯罪率増加など深刻な環境・健康問題の要因となるが、研究によると、人間が曝露する鉛の90%は有鉛ガソリンに起因するという。有鉛ガソリンを車に使用すると、排ガス浄化装置を装着できなくなり、大気浄化の妨げにもなる。先進国では1980年代から有鉛ガソリンの段階的廃止が始まったが、途上国では最近まで鉛添加物が使用されていた。そこで、この10年間、UNEPの主導の下、官民の取組により途上国・移行国のガソリン無鉛化の支援が進められ、ほぼ全世界で有鉛ガソリンが廃止された。これが知能指数(IQ)向上や犯罪率低下、早死の予防といった健康・社会的利益をもたらし、経済価値にして年間約2兆4000億ドル(世界のGDPの4%に相当)の節約になったという。ガンなど他の要因も勘案すれば、その数字はさらに増大する可能性もあるという。
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