国連環境計画、水銀に関する水俣条約の発効が決まったと発表
発表日:2017.05.18
国連環境計画(UNEP)は、EUおよび加盟7カ国の批准によって水銀に関する水俣条約の発効が決まったことを発表した。今回、同条約の締結国数が発効に必要な50カ国に達し、90日後の2017年8月16日に発効することとなった。同条約の署名数は128カ国に上る。各国政府は人為起源の水銀汚染をライフサイクルにわたって管理する具体的措置を取ることを約束した。同条約には、新たな水銀鉱山開発の禁止、既存鉱山の廃止、人力小規模金採掘の規制、水銀の排出削減や利用制限、水銀廃棄物の保管や廃棄に関する規定などが盛り込まれている。水銀の排出量は年間約8,900トンで、風化作用や森林火災、噴火等の自然起源だけでなく、石炭の燃焼や小規模金採掘を主とした人為起源のものも多い。金採掘のみでも、70カ国で1,500万人(うち500万人が女性や子供)が水銀に曝露されているという。水銀は様々な日常製品にも使われており、水銀汚染は地球規模の広がりをみせている。UNEPの事務局長は、現在はどの製品にも水銀代替品が使えるとして、市民が消費行動を変える必要性に言及した。
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