(独)農業・食品産業技術総合研究機構、放射性物質を含む汚染土壌等からのセシウム除去技術を開発
発表日:2012.02.22
(独)農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センターは、放射性物質を含む汚染土壌等から放射性セシウムを効率的に揮発させ、除去する技術を開発したと発表した。この技術は、高性能の反応促進剤を汚染土壌に添加し、小型回転式昇華装置を用いて高温で連続昇華させることで、放射性セシウムの揮発を促進させるもの。今回、福島県内の放射性物質に汚染された農地土壌(60,000Bq/kg超)を試料として昇華試験を行った結果、復旧・復興用土工資材等に利用可能なレベル(クリアランスレベル:100Bq/kg以下)まで、放射性セシウムを除去することに成功した(除去率99.7%以上)。また、揮発した放射性セシウムは、冷却後、集塵機で「濃縮セシウム塩」として回収することにより、大気中への放射性セシウムの放出を検出限界(0.1Bq/m3)以下にすることができたという。この技術開発は、(独)日本原子力研究開発機構による平成23年度「除染技術実証試験事業」の採択を受け、太平洋セメント(株)等との連携により実施されたもので、平成24年3月8日に福島県郡山市で開催される国際シンポジウムで、その成果が発表される予定という。