川崎重工業（株）は、二酸化炭素（CO2）排出量の削減に効果のある舶用ディーゼル主機用の廃熱回収システムを開発したと発表した。国際航海に従事する船舶は、国際海事機関（IMO）により、地球環境保護を目的として2013年から段階的に温室効果ガスであるCO2排出量を低減することが義務付けられる。今回開発したシステムは、舶用ディーゼル主機の排ガス余剰エネルギーを利用するもので、過給機からバイパスした排ガスの一部でパワータービンを駆動し、得られた力でクランク軸を加勢する。排ガスからの廃熱回収で得られたエネルギーを推進出力の一部として直接利用することで、CO2排出量および燃料消費量を低減するとともに、バルクキャリアや石油運搬船など、運航中に船内電力をあまり必要としない船などへの幅広い適用を可能にした。同社では今後、就航試験により同システムの性能評価および耐久性の確認を行う予定で、2015年度の市場投入を目指すという。