北海道大学など、熱帯泥炭地のCO2排出量を世界で初めて測定
発表日:2013.11.21
(独)科学技術振興機構(JST)は、北海道大学がインドネシアの研究機関と国際共同研究を行い、熱帯泥炭地の二酸化炭素(CO2)排出量を、世界で初めて長期・連続観測することに成功したと発表した。森林火災などによる熱帯泥炭地からのCO2の排出量は莫大で、地球温暖化の大きな要因となる懸念があるため、CO2排出の把握・管理が課題となっていた。今回、環境攪乱の程度が異なる3つの生態系(未排水の泥炭林、排水された泥炭林、排水された火災跡地)に観測用タワーを設置し、4年間、CO2フラックスの連続測定を行った。データ解析により、森林によるCO2吸収を考慮してもCO2フラックスは常にプラス(CO2排出)で、環境撹乱(森林伐採、排水)が進むとCO2排出量が大きくなり、エルニーニョの年(乾燥年)に最大となることが実証された。また、衛星データを用いた広い地域へのスケールアップも可能になったことにより、熱帯泥炭地の炭素管理が現実的になり、インドネシア国内および国際社会におけるカーボン・オフセット制度への適用が期待されるという。
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