(独)理化学研究所、葉緑体内部のダイナミックな構造変化を生きたまま観察
発表日:2014.01.20
(独)理化学研究所は、葉緑体を生きたまま観察できる技術を開発し、コケ植物の葉緑体内で起きる膜ダイナミクスの可視化に成功したと発表した。植物の光合成反応に関わるタンパク質は、植物細胞内の葉緑体内部にあるチラコイド膜と呼ばれる脂質二重膜に多く存在している。しかし、電子顕微鏡では生きたままの状態で葉緑体内部を観察することができないため、光合成に関わるタンパク質の動きや働きを捉えることはできなかった。今回、コケ植物の巨大葉緑体を利用した葉緑体ライブセルイメージング技術により葉緑体内部を観察した結果、生きた細胞の葉緑体内部の構造を捉えることに成功した。チラコイド膜が形成する2つの異なる膜構造を識別し、継時的な観察を行った結果、チラコイド膜の部分構造によって、動きの活発さや構造の安定性が異なることが明らかになった。この研究成果は、光合成調節の分子メカニズムの解明に向けて、葉緑体の膜ダイナミクスの役割を示唆するとともに、今後の解析の重要な手立てを提供するものという。
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