環境省は、平戸南風力発電事業に係る環境影響評価準備書について、平成27年1月16日付けで経済産業大臣に対し環境大臣意見を提出した。同事業は、グリーンパワー（株）が長崎県平戸市津吉町、田代町、前津吉町、船木町、大川原町、敷佐町及び上中津良町に、総出力34,000kW（2,000kW×17基）の風力発電設備を新設するもの。対象事業実施区域では、ミサゴ等の希少な猛禽類の生息、ハチクマ等の大規模な渡り、ノヒメユリ等の希少な植物の生育が確認されている。また、人と自然との触れ合いの活動の場である九州自然歩道が存在するほか、周辺地域は西海国立公園に指定されている。今回の環境大臣意見では、近隣住民の生活環境、希少な動植物の生息・生育環境、西海国立公園等の主要な眺望点からの景観に対する影響が強く懸念される風力発電設備及び取付道路について、配置の変更又は設置の取りやめを求めるとともに、その上で騒音等の影響を回避・低減するため低騒音型の風力発電設備の採用や稼働時間の調整等の適切な環境保全措置を講ずることを求めている。