NEDO、次世代のCO2回収型石炭ガス化複合発電システム開発に着手
発表日:2015.08.11
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、次世代の石炭ガス化複合発電(IGCC)システムの開発に着手すると発表した。石炭火力発電は、二酸化炭素(CO2)の排出量が多いため、高効率化に加え、CO2を回収・貯留するCCS技術により低炭素化を図っていく必要がある。しかし、CCSには多大な付加的エネルギーが必要となり、効率の低下や発電コストの上昇を招くため、このエネルギーロスの低減が技術的な課題となっている。今回開発するのは、発電時に発生するCO2をほぼ全量回収しながらも、最先端の石炭火力発電と同等な発電効率42%を達成できるIGCCシステム。排ガスCO2の一部を系統内にリサイクルし、排ガス中のCO2純度を高めることにより、CO2回収時に大きなエネルギーロスとなっていたCO2分離回収工程が不要となる。実機に近い大型サイズでの要素技術検証を実施することで、基盤技術をより確実な技術として発展させ、2035年頃の商用化に向け、高効率でCO2排出ゼロの石炭火力発電の実現を目指すという。