東北大とNIMS、レアメタル等を使わない高性能排ガス触媒を開発
発表日:2016.02.03
東北大学と物質・材料研究機構は、貴金属(レアメタル)や希土類元素(レアアース)を一切使わない高性能排ガス触媒「ナノポーラスNiCuMnO」を開発したと発表した。自動車の排ガス触媒には、プラチナなどの貴金属やレアアースが使われているが、資源枯渇の観点から、使用を控えていく必要に迫られている。今回の触媒は、銅・ニッケル・マンガンの固溶体合金からマンガンを選択腐食することで開発したもの。排ガスの成分である一酸化炭素(CO)や一酸化窒素(NO)の除去反応として知られるCO酸化・NO還元反応に活性であり、長時間の高温使用にも耐えられる特有のナノ構造になっている。また、世界で初めてNO還元反応の様子を透過電子顕微鏡によってその場観察することにも成功し、その特有のナノ構造が触媒反応によって引き起こされることを突き止めた。この触媒は、合金粉末を酸に漬けるだけで作製できるため、大量生産が可能である。また、得られた触媒の設計指針を応用した、さらなる高性能な排ガス触媒の開発が期待されるという。
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