東北大学、有機分子を用いた高エネルギー密度リチウムイオン電池の開発に成功
発表日:2012.06.13
東北大学は、同大学多元物質科学研究所の本間 格教授らが、レアメタルフリーの有機正極材料を用いた新タイプの高エネルギー密度型リチウムイオン電池の開発に成功したと発表した。有機分子は、既存のリチウムイオン電池の正極材料(金属酸化物)に比べて、レアメタルを含まないことから安価で、蓄電エネルギー密度が高い電極としての可能性に満ちている。しかし、既存の電池構造では、充放電サイクルを行う際に有機分子が電解液に溶け出すことなどから、実用的ではなかった。今回、研究グループでは、これらの課題の根本的解決を目的に、全固体型の電池構造を設計。電解液ではなく準固体の電解質を適用することにより、有機分子の溶出抑制に成功し、可溶性有機分子も二次電池の電極材料として利用できることを世界で初めて実証した。同研究成果は、リチウムイオンを用いて有機分子に極めて大きな電力エネルギーを可逆的に貯蔵させることが出来る革新的電池技術であり、多様性に満ちた有機化合物の電極材料への応用、並びに安価・高容量・高出力の大型リチウムイオン電池のイノベーションに新しい道筋を拓くものと期待できるという。
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