東京工業大、ラン藻の遺伝子発現誘導の持続時間伸長と低コスト化につながる技術を開発
発表日:2016.09.26
東京工業大学は、ラン藻(シアノバクテリア)に、人工的な「遺伝子発現ネットワーク」を導入することで、効率的に遺伝子発現を誘導する技術を開発した。ラン藻は、代謝系の遺伝子操作により、有用物質の増産が期待できる光合成微生物である。すでに、研究グループでは、遺伝子発現誘導剤を用いて、ラン藻内で生産された含窒素化合物を細胞外に放出させることに成功している。しかし、誘導剤は高価で、持続時間が短いなどの欠点があった。そこで、タンパク質をコードしていない「機能性RNA」の転写機能を用いた人工的な遺伝子発現システムをラン藻内に導入し、より低濃度の遺伝子発現誘導剤、もしくは誘導剤を使用せずに、遺伝子発現の誘導に成功した。この技術をさらに発展させれば、異なる代謝の役割を持つ細胞それぞれに対して、より精密に遺伝子発現制御による代謝改変を行うことも可能になり、ラン藻を用いた大規模物質生産の実現につながることが期待されるという。
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