清水建設（株）は、ロシア科学アカデミー陸水学研究所、北見工業大学及び北海道大学と共同で、バイカル湖の湖底表層に閉じ込められたメタンハイドレートからガスを解離・回収する実験に成功したと発表した。2008年8月、バイカル湖の南湖盆の水深約400mの湖底で成功した同実験では、「チャンバー」と呼ばれる鋼鉄製・茶筒状の反応容器内で、メタンハイドレートと水を攪拌。水に溶かしたメタンハイドレートを水ごと湖上へ運び、ガスを解離・回収した。海底または湖底を含め、表層メタンハイドレートから、ガスの解離・回収に成功したのは、今回の実験が世界初であり、我が国の資源開発にとって、多様な埋蔵資源の確保という観点から大きな意味を持つという。同社は、今後も引き続き、表層資源に関する埋蔵調査やプラント機器の改良などを行ったうえで、回収効率や経済性の向上を図り、4年以内に技術的確立を目指すという。