JAMSTECと北海道大、気温上昇に対する水蒸気量の増加を統計的に解析
発表日:2017.07.06
海洋研究開発機構(JAMSTEC)と北海道大学は、気温上昇に対する水蒸気量の変化を統計的に解析した。一般的に大気中の水蒸気量は、気温上昇とともに特定の変化率で増加する性質を持っているが、現実の大気では地上気温が上昇すると、上空の気温と水蒸気の分布も変化するため、地上観測のデータから上空の水蒸気量を含めた増加率を正確に見積もることは困難である。今回、GPS衛星電波の大気中の水蒸気による遅れから推定した日本各地における過去15年間の大気全体の水蒸気量(可降水量)と日平均地上気温との関係を解析したところ、これまでに予想されていたよりも大きい変化率(7%→11~14%)で気温上昇に対して可降水量が増加していることを明らかにした。今回の結果は水蒸気量の観測結果であるが、降水についても想定より強くなる可能性を示しており、将来の降水強度の変化を理解する上で大いに役立てられるという。