国環研、研究情報誌「環境儀」第66号「土壌は温暖化を加速するのか?─アジアの森林土壌が握る膨大な炭素の将来」を刊行
発表日:2017.10.06
国立環境研究所は、研究情報誌「環境儀」第66号「土壌は温暖化を加速するのか?─アジアの森林土壌が握る膨大な炭素の将来」を刊行した。地球の土壌中からは、年間840~980億トンの炭素が土壌呼吸として土壌から大気中に放出されているが、そのうちの約7割は、土壌中の微生物が有機物を分解する時に放出(土壌微生物呼吸)されるものと考えられている。これは、人間の活動によって排出されるCO2量の約10倍に相当するが、温暖化によりわずかでも温度が上がれば、有機物の分解が急速に進み、温暖化に拍車をかけるという悪循環が懸念されている。しかし、特にアジア地域においては、有機物分解に関わる観測データが不足しているため、地球全体の陸域における炭素循環の推定値は不確実性が大きいことが課題となっている。今号では、独自に開発した観測システムを用いて、アジア地域の森林を中心に行っている土壌微生物呼吸の温暖化への応答に関する研究について、観測手法や研究成果とともに紹介している。
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