岡山大など、リン欠乏条件下におけるDNA分解と養分利用の仕組みを解明
発表日:2018.11.13
岡山大学、神戸大学および広島大学の研究グループは、リン栄養が欠乏した植物においてDNAが自己分解され、リン養分として再利用される生命現象の再現に成功したと発表した。植物細胞内の葉緑体とミトコンドリアは、真核細胞の祖先となる細胞が共生バクテリアから獲得したとされる細胞小器官に含まれる「オルガネラDNA」を有している。同研究グループは、このDNAが植物の葉に過剰とも言えるほど多く見られることから、遺伝子研究のモデル植物であるシロイヌナズナと落葉広葉樹の代表格であるポプラを用いて、DNA分解しない変異株のリン欠乏に対する応答やリン分解酵素の働きなどを観察した。その結果、オルガネラDNAはリン栄養が欠乏した状態になると積極的に分解され、植物のリン栄養として再利用されていることを実験的に証明した。植物の三大栄養源のひとつである「リン」の効率的な利用と、「リン」による水質汚染等に係る懸念の払しょくにつながる成果であるという。
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